ダックスフンドの正しい抱き方・持ち方!ヘルニアを予防する安全な方法

ダックスフンドの正しい抱き方・持ち方!ヘルニアを予防する安全な方法

ダックスフンドラボ編集部読了時間: 7

ミニチュアダックスフンドは、その愛らしい胴長短足の体型から世界中で愛されていますが、その特異な体型ゆえに椎間板ヘルニア(IVDD)になりやすいという大きなリスクを抱えています。日々の何気ない動作、特に「抱き方」や「持ち方」が、愛犬の背骨に想像以上の負担をかけているかもしれません。

本記事では、ダックスフンドの背骨を守るための正しい抱き方と、絶対に避けるべき危険な抱き方について、獣医学的な観点から詳しく解説します。愛犬と長く健康に暮らすための予防知識として、ぜひ今日から実践してください。

なぜダックスフンドはヘルニアになりやすいのか

ダックスフンドが椎間板ヘルニア(IVDD:椎間板疾患)になりやすい最大の理由は、その長い背骨にあります。通常の犬種と比べて背骨を支えるポイントが離れているため、中央部分(腰のあたり)に物理的なストレスが集中しやすくなっています。

特に、上下の動きや背骨が反るような姿勢は、椎間板(背骨の骨と骨の間にあるクッションの役割を果たす軟骨)に過度な圧力をかけます。この圧力が繰り返されることで椎間板が変性し、飛び出して神経を圧迫するのが椎間板ヘルニアです。

重症化すると下半身麻痺や排泄障害を引き起こし、車椅子生活や大がかりな手術が必要になることもあります。だからこそ、日々の生活の中で「背骨を地面と平行に保つ」ことが極めて重要になります。

絶対にやってはいけない!危険な抱き方(NG例)

まずは、ダックスフンドにとって非常に危険な、避けるべき抱き方を確認しましょう。

1. 脇の下に手を入れて縦に抱き上げる(人間の赤ちゃん抱き)

最もやってしまいがちで、かつ最も危険な抱き方です。前足の脇の下に手を入れて、ダックスフンドの体を縦にして持ち上げると、長い下半身の重さがすべて腰の1点に集中してしまいます。背骨が極端に反り返り、椎間板に致命的なダメージを与える可能性があります。

2. 前足だけを引っ張って持ち上げる

ソファに乗せようとしたり、遊びの中で前足だけを引っ張って立たせたりする行為も危険です。肩の関節を痛めるだけでなく、やはり背骨に不自然な力がかかります。

3. お腹の下だけを片手で支えて持つ

お腹の中央部分だけを片手で持ち上げると、前足と後ろ足がだらんと垂れ下がり、背骨が逆U字型に曲がってしまいます。これも背骨への負担が非常に大きい持ち方です。

ダックスフンドの正しい抱き方・持ち方(OK例)

ダックスフンドを安全に抱き上げるための基本原則は、**「背骨を常に地面と平行に保つこと」**です。以下の手順で優しく抱き上げましょう。

床から持ち上げる時の正しい手順

  1. しゃがんで犬と同じ目線になる 立ったまま上から手を伸ばすのではなく、まずは飼い主自身がしゃがみ、犬の横に位置取ります。
  2. 片手を胸の下(前足の間)に入れる 片方の手(利き手でない方)を、ダックスフンドの胸の厚い部分(前足のすぐ後ろ)に下から差し込みます。
  3. もう片方の手でお尻から後ろ足を包み込む もう一方の手で、お尻から後ろ足全体を下からしっかりとすくい上げるように包み込みます。
  4. 体を水平に保ったまま、胸に引き寄せて立ち上がる 前側と後ろ側の両方をしっかり支えた状態で、犬の背骨が地面と平行になるように保ちながら、自分の胸元に密着させます。犬の体が飼い主の体に密着することで安定感が増し、犬も安心します。そのままゆっくりと立ち上がります。

抱っこしている最中の姿勢

抱っこして移動する際も、犬の体が縦にならないように注意してください。ラグビーボールを抱えるように、片腕で犬の体の側面と下から支え、もう片方の手で胸のあたりを軽くホールドすると安定します。常に背骨がまっすぐになっているか意識することが大切です。

日常生活でできるヘルニア予防策

抱き方以外にも、室内環境を整えることでヘルニアのリスクを大幅に減らすことができます。

ソファやベッドの段差をなくす

ダックスフンドにとって、ソファやベッドからの飛び降りは背骨への大きな衝撃となります。人間にとってはわずかな段差でも、胴長短足の彼らにとっては大きな負担です。昇り降りが必要な場所には、専用のペットステップやスロープを設置しましょう。

日本製 ドッグステップ stepy Mサイズ 犬用階段 踏み台 ケガ ヘルニア予防

日本製 ドッグステップ stepy Mサイズ 犬用階段 踏み台 ケガ ヘルニア予防

小型犬の足腰の負担を軽減する日本製のドッグステップ。程よい硬さで踏み込みやすく、ヘルニア予防やソファからの飛び降り防止に最適です。

床の滑り止め対策

フローリングの床で滑ると、踏ん張るために腰に無理な力がかかります。生活スペースには滑り止めのカーペットやジョイントマットを敷き詰めましょう。足裏の肉球の間の毛をこまめにカットすることも、滑り防止に効果的です。

適正体重の維持

肥満はヘルニアの最大のリスク要因の一つです。体重が重くなればなるほど、背骨を支える負担が増加します。適切な食事量と適度な運動(平坦な道での散歩など)で、適正体重を維持するよう心がけてください。

FAQ:ダックスフンドの抱き方に関するよくある質問

Q. 仰向け(へそ天)で抱っこするのは大丈夫ですか? A. 背骨が丸まったり反ったりせず、飼い主の腕の中でまっすぐに保たれていれば問題ありません。ただし、犬が嫌がって暴れると腰を捻る危険があるため、リラックスしている時に限り、しっかりと全身を支えてあげてください。

Q. クレート(ケージ)から出す時にうまく抱き上げられません。 A. クレートの上部が開くタイプを使用すると、上から両手を入れて前胸とお尻を同時に支えやすくなります。横の扉から出す場合は、犬が自発的に出てくるのを待つか、おやつで誘導してから正しい姿勢で抱き上げましょう。無理に引っ張り出すのはNGです。

Q. 階段の昇り降りはさせてもいいですか? A. 基本的に階段の昇り降りは避けるべきです。特に降りる動作は背骨への衝撃が強いため、階段を移動する際は必ず飼い主が正しい方法で抱っこして運んであげてください。

まとめ

ダックスフンドのヘルニアは、完全には防ぎきれない遺伝的な要因もありますが、飼い主の毎日の接し方でリスクを大幅に下げることは可能です。

  • 絶対に縦抱き(赤ちゃん抱き)をしない
  • 持ち上げる時は、前胸とお尻の両方を下から支え、背骨を水平に保つ
  • ソファやベッドにはステップを設置し、ジャンプさせない

これらの基本ルールを守り、愛犬の背骨を優しく守ってあげましょう。正しい抱き方を習慣づけることが、愛犬との健やかで幸せな日々へと繋がります。

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