ダックスフンドの愛らしい瞳で見つめられると、ついおやつを与えたくなってしまう飼い主さんは多いのではないでしょうか。しかし、ダックスフンドは太りやすい体質であり、過度な体重増加は椎間板ヘルニアの重大なリスク要因となります。
本記事では、ダックスフンドの健康を守りながら、コミュニケーションツールとしておやつを上手に活用するための選び方と、適切な量・頻度について獣医学的な観点から詳しく解説します。
ダックスフンドにおやつを与える際の基本ルール
おやつは犬にとって最大の喜びの一つですが、与え方を間違えると健康寿命を縮める原因になりかねません。特に胴長短足の体型を持つダックスフンドにとって、体重管理は生涯にわたる最重要課題です。
1日のカロリーの10%以内に収める
犬におやつを与える際の黄金ルールは、「1日の必要摂取カロリーの10%以内に収めること」です。これを超えると、主食であるドッグフードからの栄養バランスが崩れたり、カロリーオーバーによる肥満を引き起こしたりします。
例えば、体重5kgの成犬のダックスフンドで、1日の必要カロリーが約300kcalの場合、おやつの上限は30kcalとなります。市販のボーロやクッキーは1つで10〜20kcalあるものも多いため、ほんの数個で上限に達してしまうことに注意が必要です。
主食の量を調整して総カロリーを管理する
おやつを与えた日は、そのカロリー分だけ主食(ドッグフード)の量を減らすことが鉄則です。おやつを「追加の食事」ではなく「食事の一部を置き換えたもの」として考えることで、肥満を効果的に予防できます。
ダックスフンドに適したおやつの選び方
市販されている数多くのおやつの中から、ダックスフンドの健康に適したものを選ぶためのポイントをご紹介します。
低脂肪・低カロリーなものを選ぶ
ダックスフンドは運動量が不足しがちで太りやすいため、脂肪分が少なく低カロリーなおやつが最適です。鶏のささみ、鹿肉、白身魚などを原料としたジャーキーや、野菜(茹でたキャベツやニンジン)、果物(リンゴなど、糖分の与えすぎに注意)がおすすめです。

ベストバランス 犬用おやつ ミニチュア・ダックスフンド用 鶏ささみ 15gx20本
ダックスフンドの関節の健康維持に配慮し、グルコサミンやコンドロイチンを配合した鶏ささみベースのペースト状おやつです。カロリー計算もしやすく、ご褒美に最適です。
噛みごたえがあり長持ちするもの
早食い傾向のあるダックスフンドには、噛みごたえのある硬めのおやつが適しています。牛皮のガムやアキレス腱などは、食べるのに時間がかかるため、少量でも高い満足感を得られます。また、咀嚼することはストレス解消や歯垢の沈着を防ぐデンタルケア効果も期待できます。
ただし、硬すぎる骨やひづめは、歯が欠けたり飲み込んで消化管を傷つけたりする危険があるため、適度な硬さのものを選び、必ず飼い主の目の届く範囲で与えてください。
無添加・無着色の自然派おやつ
人工的な保存料、着色料、香料が含まれていない、自然素材のみで作られたおやつを選ぶと安心です。アレルギー体質のダックスフンドも多いため、原材料表示をしっかりと確認し、愛犬の体質に合わない成分が含まれていないかチェックする習慣をつけましょう。
目的別:効果的なおやつの与え方
おやつは単なる嗜好品ではなく、しつけやコミュニケーションのための重要なツールです。目的に応じて与え方を工夫することで、その効果を最大限に引き出すことができます。
トレーニングやしつけのご褒美として
トイレトレーニングや「おすわり」「待て」などのしつけの際には、おやつが強力なモチベーションになります。この場合、すぐに飲み込める小さなサイズ(小指の爪の半分程度)のものを、成功した直後にタイミング良く与えることが重要です。
大きなものを1回与えるよりも、小さくちぎったものを複数回に分けて与える方が、犬の満足度は高まり、トレーニング効果も上がります。
留守番時のストレス軽減として
飼い主が外出する際のお留守番は、ダックスフンドにとって強いストレスになることがあります。知育玩具(コングなど)の中にペースト状のおやつやフードを詰めて与えると、それを取り出すことに夢中になり、留守番中の退屈や分離不安を軽減する効果があります。
おやつを与える際の注意点とNG食材
最後に、ダックスフンドにおやつを与える際に絶対に避けるべき食材と注意点を確認しておきましょう。
絶対に与えてはいけない危険な食材
人間の食べ物の中には、犬にとって猛毒となるものが多く存在します。以下の食材は、少量であっても絶対に与えないでください。
- ネギ類(タマネギ、長ネギ、ニンニクなど):赤血球を破壊し、重度の貧血を引き起こします。
- チョコレート・ココア:テオブロミンという成分が中毒症状(嘔吐、痙攣、心不全)を引き起こします。
- ブドウ・レーズン:急性腎不全の原因となります。
- キシリトール:急激な低血糖や肝不全を引き起こします。
- マカダミアナッツ:中毒症状を引き起こすことが報告されています。
人間の食べ物を与えない
味付けされた人間の食べ物は、犬にとって塩分や糖分、脂肪分が過剰です。一度人間の食べ物の味を覚えてしまうと、ドッグフードを食べなくなったり、食卓から食べ物を盗み食いする癖がついたりする原因になります。
まとめ
ダックスフンドにとって、おやつは飼い主との絆を深める大切なコミュニケーションツールです。しかし、与えすぎは肥満を招き、椎間板ヘルニアなどの深刻な疾患のリスクを高めてしまいます。
1日のカロリーの10%以内というルールを守り、低カロリーで安全なものを選び、主食の量を調整することで、健康を維持しながらおやつの時間を楽しむことができます。愛犬の健康状態や年齢、活動量に合わせて、最適なおやつの与え方を見つけていきましょう。
FAQ
Q. おやつをねだって吠える場合、どうすればよいですか? A. 吠えている間は絶対におやつを与えないでください。吠えればもらえると学習してしまいます。完全に静かになり、落ち着いて座るまで待ち、静かになったタイミングで褒めて与えるようにしましょう。
Q. シニア犬(高齢犬)のおやつで気をつけることは? A. シニア期に入ると消化機能や代謝が低下し、さらに太りやすくなります。また、歯が弱くなることもあるため、消化が良く柔らかいおやつ(ボーロやペースト状のもの)に切り替え、カロリー計算をより厳密に行うことが大切です。
Q. 手作りのおやつを与えても良いですか? A. 茹でた鶏のささみや野菜(ニンジン、キャベツなど)を味付けせずに与えるのは、健康的で素晴らしいおやつになります。ただし、与えすぎに注意し、アレルギーや消化不良を起こさないか少量から試してください。




