ダックスフンドは胴長短足の愛らしい体型が魅力の犬種ですが、その独特の体型ゆえに肥満のリスクが大きい犬種でもあります。余分な体重は腰への負担を増大させ、椎間板ヘルニア(IVDD)をはじめとするさまざまな健康問題を引き起こす原因になります。
この記事では、ダックスフンドの適正体重の目安と、健康的な体重を維持するための具体的な方法を解説します。
ダックスフンドのサイズ別適正体重
ダックスフンドには3つのサイズがあり、それぞれ適正体重が異なります。
スタンダード
成犬の適正体重は約7〜15kgです。胸囲が35cm以上のダックスフンドがこのカテゴリーに分類されます。JKC(ジャパンケンネルクラブ)の基準では上限を約9kgとしていますが、個体差があるため、骨格に見合った体重を維持することが重要です。
ミニチュア
日本で最も人気のあるサイズです。成犬の適正体重は約4〜5kgが目安で、胸囲は30〜35cmとされています。ただし、近年はやや大きめの個体(6kg前後)も見られます。
カニンヘン
最も小さなサイズで、成犬の適正体重は約3〜3.5kgです。胸囲は30cm以下が基準です。体が小さいため、わずかな体重増加でも大きな負担になりやすい点に注意が必要です。
肥満のリスク:なぜダックスフンドの体重管理が重要なのか
ダックスフンドが太ると、次のような健康リスクが高まります。
椎間板ヘルニア(IVDD)
ダックスフンド最大の健康上の懸念であるIVDDは、肥満によってリスクが著しく上昇します。余分な体重が長い背骨にかかることで、椎間板への圧力が増大し、損傷や突出のリスクが高まるのです。研究によれば、適正体重を維持しているダックスフンドはIVDDの発症率が有意に低いことが報告されています。
関節への負担
肥満は膝蓋骨脱臼(パテラ)や関節炎のリスクも高めます。短い脚で重い体を支えることになるため、関節への負荷は他の犬種以上に大きくなります。
糖尿病・心臓病
人間と同様に、犬も肥満によって糖尿病や心臓疾患のリスクが上がります。ダックスフンドは遺伝的にこれらの疾患にかかりやすい傾向もあるため、体重管理は特に重要です。
呼吸器への影響
過度な脂肪は気道を圧迫し、呼吸困難やいびきの原因になることがあります。
ボディコンディションスコア(BCS)で肥満チェック
体重計の数字だけでなく、**ボディコンディションスコア(BCS)**を使って視覚的・触覚的に体型を評価しましょう。
理想的な体型(BCS 4〜5/9)
- 肋骨:薄い脂肪で覆われているが、軽く触ると簡単に感じられる
- 腰のくびれ:上から見るとウエストのくびれが確認できる
- お腹のライン:横から見るとお腹が胸からゆるやかに引き上がっている
太り気味(BCS 6〜7/9)
- 肋骨を触っても感じにくい
- 上から見てもくびれがない
- お腹が垂れ下がっている
肥満(BCS 8〜9/9)
- 肋骨がまったく感じられない
- 背中や首にも脂肪がついている
- お腹が大きく垂れている
食事管理:適切なフード量と与え方
体重管理の基本は食事のコントロールです。
1日の適切なカロリー量
一般的なミニチュアダックスフンド(5kg)の場合、1日に必要なカロリーは約300〜350kcalが目安です。ただし、年齢や活動量、避妊・去勢の有無によって異なります。
- 子犬期(〜1歳):成犬の1.5〜2倍のカロリーが必要
- 成犬期(1〜7歳):体重1kgあたり約60〜70kcal
- シニア期(7歳〜):成犬期より10〜20%少なめに
フードの量り方
必ず計量カップやスケールで正確にフードを量りましょう。「目分量」はカロリー過多の最大の原因です。
おやつの管理
おやつは1日の摂取カロリーの10%以内に抑えることが推奨されています。低カロリーのおやつ(茹でたブロッコリーやニンジンなど)を活用するのも効果的です。
食事回数
成犬であれば1日2回に分けて与えるのが一般的です。空腹時間が長すぎると一気食いの原因になるため、規則正しい時間に与えましょう。

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小型犬の体重管理に特化したドッグフードです。低脂肪・高タンパク設計で、満腹感を維持しながらカロリーを抑えられます。ダックスフンドの減量・体重維持におすすめです。
運動による体重管理
適度な運動は消費カロリーを増やすだけでなく、筋肉量の維持にも役立ちます。
散歩の目安
ダックスフンドの場合、1日2回、各20〜30分の散歩が理想的です。ただし、腰への負担を考慮して以下の点に注意しましょう。
- 階段の上り下りは避ける
- ジャンプをさせない
- 舗装された平坦な道を選ぶ
- 暑い日はアスファルトの温度に注意する
室内遊び
雨の日や体調が優れないときは、室内での遊びも効果的です。
- ノーズワーク(おやつを隠して探させる)
- 引っ張りっこ遊び(腰に負担のかからない強度で)
- 知育おもちゃを活用する

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世界中の獣医師やトレーナーが推奨する定番の知育おもちゃです。中におやつを詰めて遊ばせることで、室内でも適度な運動と頭の体操ができます。ダックスフンドの体重管理にも役立ちます。
ダイエットが必要な場合の進め方
すでに太ってしまった場合は、急激なダイエットは避け、2〜3ヶ月かけて体重の5〜10%を減らすのが安全です。
- まず獣医に相談し、目標体重を設定する
- ダイエット用フードに切り替える(高タンパク・低脂肪)
- フードの量を現在の10〜15%減らす
- おやつを低カロリーのものに置き換える
- 毎週体重を測定し、経過を記録する
- 2週間ごとに体型をチェックし、必要に応じて調整する
よくある質問(FAQ)
Q. ダックスフンドは何kgから肥満ですか?
サイズによりますが、ミニチュアの場合は6kgを超えると太り気味とされることが多いです。ただし、骨格が大きい個体もあるため、BCS(ボディコンディションスコア)で判断するのがより正確です。
Q. おやつをあげないのはかわいそう?
おやつの量を減らす代わりに、食事の一部をおやつとして使う方法があります。ドライフードを1粒ずつご褒美として与えれば、カロリーオーバーを防ぎながらコミュニケーションが取れます。
Q. 去勢・避妊手術をすると太りやすくなりますか?
はい。去勢・避妊手術後はホルモンバランスの変化により基礎代謝が10〜20%低下するといわれています。手術後はフード量を調整し、体重の変化を注意深く観察しましょう。
まとめ
ダックスフンドの体重管理は、この犬種と長く健康に暮らすための基本です。定期的な体重測定とBCSチェック、適切な食事量の管理、そして毎日の適度な運動を組み合わせることで、愛犬の健康を守りましょう。気になる点があれば、かかりつけの獣医師に相談することをおすすめします。




